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ぶどう膜炎とは?
眼球を包み込むように存在する「ぶどう膜」に炎症が起きてしまう状態のこと。
ぶどう膜とは、
瞳孔を作る「虹彩」、水晶体を調節してピントを合わせる「毛様体」、栄養を運ぶ「脈絡膜」の総称です。
もともと、ぶどう膜は血管が豊富で、炎症を起こしやすい組織です。
炎症によって視力が低下し、失明に至るリスクもあります。早期治療が重要です。
原因は明確になっていませんが、自己免疫疾患によるものが多いとされ、「3大ぶどう膜炎」と呼ばれています。
日本でのぶどう膜炎の原因の約4割が3大ぶどう膜炎に該当します。
【3大ぶどう膜炎】
① ベーチェット病 (眼・粘膜・皮膚などに炎症が起こる疾患)
② サルコイドーシス (全身の臓器に「肉芽種」が形成され、障害が起こる原因不明の疾患)
③ 原田病 (眼・皮膚・毛髪などの色素細胞に起こる自己免疫疾患)
ただし、他にも細菌やウイルス感染、真菌や寄生虫によるものなど、原因は多岐にわたります。
炎症は子どもから高齢者まで幅広い層に起りえますので気になることがあればすぐに医師にご相談ください。
ぶどう膜炎の症状
炎症細胞が硝子体などに浮遊し、次のような症状が起こります。
□ 視力が低下する |
□ 虫が飛んでいるように見える(飛蚊症) |
□ まぶしく感じる |
□ 充血する |
□ かすみがかったように見える(霧視) |
□ 目が痛い |
症状は片眼だけの場合もありますし、両眼に起こることもあります。
当てはまる症状があったら、すぐに当クリニックを受診してください。
また、症状がおさまっても再び炎症が起こることもあり、油断はできません。
自己判断で通院を中止するのは症状を悪化させることに繋がるのでやめましょう。
ぶどう膜炎の検査
目の症状だけでなく、全身の症状にも注目して、問診します。
通常の眼科検査に加えて、血液検査や胸部X線検査などの全身検査が必要になることもあります。
ぶどう膜炎の治療法
眼科での治療の中心は「炎症を早急に抑えること」にあります。
治療方法は原因によって異なり、数ヶ月~数年かかるとされています。
・点眼薬
炎症を抑えるために「副腎皮質ステロイド」や、虹彩が水晶体に癒着するのを防ぐ「散瞳薬」を点眼します。
・局所注射
炎症が強い場合は、眼球の周辺に「副腎皮質ステロイド薬」の注射をします。
・全身投与(内服・点滴)
体内の免疫反応を抑える「免疫力抑制薬」や「副腎皮質ステロイド薬」の全身投与を行います。
・硝子体手術
点眼や内服による治療では効果が見られない場合に硝子体を切除する手術を行うこともあります。