結膜(けつまく)とはまぶたの裏側と白目の部分を覆っている透明の薄い膜のことです。
結膜に細菌やウイルスが感染すると白目の部分が赤く充血して、炎症を起こします。
これが「結膜炎」です。結膜炎には様々な種類があります。
ウイルスが繁殖しやすい夏場に流行しやすいですが、1年を通して感染する可能性はあります。感染力が強いので注意しましょう。
【症状】□ 結膜が充血する | □ たくさん目やにが出る | □ まぶたが腫れる |
□ まぶたの裏にブツブツができる | □ 目がゴロゴロする | □ まぶしく感じる |
□ 耳の前側のリンパ節が腫れて痛くなる |
原因
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アデノウイルス(8型や19型など)に感染することで起こります。 |
感染力が強く、うつってはやりやすいので「はやり目」と呼ばれています。 | |
経過
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感染から約1~2週間で発病し、結膜炎に。発病後は約10日でよくなっていきます。 |
治りかけの時期に角膜(黒目の部分)に小さな濁りが生じて、一時的に視力が低下することもあります。また、まぶたの裏側に偽膜という白い膜がでることもあります。まぶたに癒着することがあるので、偽膜が出た場合は除去する必要があります。 |
原因
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アデノウイルス(3型や7型など)に感染することで起こります。 |
夏にプールに行った子どもが感染することが多く、熱を伴うので「プール熱」とも呼ばれています。 | |
経過
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感染から約5~7日で発病し、10日~2週間ほどでよくなっていきます。 |
のどの痛みや発熱など風邪に似た症状が起こります。 |
原因
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エンテロウイルス70型、コクサッキーウイルスA42型などのウイルスに感染することで起こります。 |
経過
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感染からわずか約1日で結膜下出血(症状:白目が真っ赤になる)を引き起こします。 |
発病後、1週間~10日ほどでよくなっていきます。 |
クラミジアトラコマティスに感染して起こる結膜炎で、昔は「トラコーマ」と呼ばれていました。
性交渉によって感染する性感染症のひとつです。また、赤ちゃんが母親の産道を通ることで起こります。
そのため、パートナーも感染している可能性が高く、検査を促すことが大切です。
□ 結膜が充血する | □ たくさん目やにが出る | □ まぶたが腫れる |
□ まぶたの裏にブツブツができる |
インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、淋菌などの細菌に感染することで起こる結膜炎。
特に淋菌による細菌性結膜炎は角膜に影響し、視力が落ちることもあります。
□ 結膜が充血する | □ 粘り気のある目やにが出る | □ 目がゴロゴロする |
花粉(スギ、ヒノキ、ブタクサなど)やハウスダスト(ダニ、動物の毛など)のアレルギーで起こる結膜炎。
季節を問わず起こる通年性のアレルギーと特定の季節にだけ起こる季節性のアレルギーがあります。
なかでも、症状の強いアレルギー性結膜炎に「春季カタル」があります。
「カタル」とは粘膜の表面にできる炎症のことで、角膜に炎症が起こることもあります。
アトピーのあるお子さんはなりやすいのでご注意ください。アレルギーページもご一緒にご確認ください。
□ 結膜が充血する | □ たくさん目やにが出る | □ まぶたが腫れる |
□ 目がかゆい | □ 涙目になる | □ 鼻にも症状が起こる |